お帰り 時生(トキオ)

 先月末に亡くなったばかりの時生が、フェルト細工に姿を変えて帰ってきたそうです。

4年前に鳥取県倉吉市の保健所施設から間接譲渡でやって来た時生は、担当の谷畑さん(アニマルリンク鳥取代表)の許で 愛情を注がれ、手をかけ、目をかけられて、元気に暮らしておりました。

が、1年前に前肢に腫瘍が発生していることが判りました。

迷った末、高度先進医療などの積極的治療は断念し、手厚い看護、介護を受けて 可能な限りのケアを施されながら、限られた余命を送っておりました。

仕事をこなしながら、その動作に手間と時間のかかる時生の世話を面倒がることなく 谷畑さんは 全力で支援を続けてきました。

しかし、背負った宿命を変えることなどできないまま、病は進み、ついに 別れの日を迎えた時生と谷畑さんでした。

誰かが飼っていたのか、あるいは野犬だったのか 誰も分りません。

そんな 行き場のない時生を優しく受け入れて 譲渡を果たせる日を楽しみに 懸命に世話にあたった谷畑さんが、かけがえのない命の最後を、深い愛情で見届けたことは 時生にとって せめてもの幸いであり、誇りであったことでしょう。

 

身寄りのないおいらを、最期の一息まで守りきってくれた谷畑おばちゃん、地震にはたまげたけど、決しておいらを被災者だからと言って手放すこともしないで、「この子は最後まで私が守る!」と言ってくれた言葉を おいら、死んでも忘れないよ。

本当に嬉しかった。

本当のお母さんより おいらのこと大切に思ってくれた最愛の人間だった。

この人に出会えたから おいら頑張れた。

いっつも 笑顔と元気な声で おいらを励ましてくれたから しんどい病も乗り越えられたんだよ。

ありがとう、谷畑おばちゃん。

お世話になりました。

 時 生

 

元気なころの(保護当時の)時生

 

 

「いちりんのはな」の雅号で知られるSさんの手によって 時生がよみがえりました。

「ありがとう。」と語りかける笑顔の時生は、生前の元気な「全盛期」の姿を想い出させます。

今は小さなフェルト細工に姿を変えて、大好きな谷畑さんのそばで 今度は彼女を見守っています。

四本の脚で ちゃんと立ってる時生が届いたとき、谷畑さんから すぐ電話が入りました。

「岡さ〜〜ん、聴いて。今日 トキオが帰ってきたんだよ〜。」

Sさん、なんて嬉しい気配りでしょう。

よくぞ 素適な供養の品を思いついてくれました。

谷畑さんが泣いて喜んだということは、時生が満足している、喜んでいるということに他なりません。

世界で一番好きな谷畑おばちゃんが 自分の死によって元気を無くすことを 気にかけていた時生が、永久に笑っている姿は、彼女の明日の進路をきっと照らしてくれることでしょう。

Sさん、パールちゃんといい、時生といい、心をこめたフェルト細工という手段で 笑顔と元気をもたらしてくれて ありがとうございます。

|店主のつぶやき|21:38| - | 2018.02.14 Wednesday |