ロコちゃん

 

 ロコちゃんは、役場が保護した後、保健所に送られる寸前のところを 一ヶ月ばかり前にラブラドールの愛犬を見送り、その面影を偲ぶ日々だったIさんが 即断で 二代目愛犬として連れ帰ったという経緯の子です。

Iさんの先代愛犬 剛(ゴウ)君は、晩年 実に手厚い介護を受け、一家の大切な宝として 15歳で幸福な一生を全うしました。

50kg近い迫力満点の体格で 力の有り余る子でしたが、そんな剛君も 老いには勝てず、最後は寝たきりとなりました。

いろんな思い出が去来する中、目の前に現れた ラブそっくりの捨て犬に Iさんは 剛君の面影を見たのでしょうか。

まるで 剛君が導いてくれたかのようなこの子に、何一つのためらいも、迷いもないままIさんは 彼女を連れ帰りました。

決して若くはなく、むしろ老犬であるにもかかわらず、Iさんは 「剛ちゃんが会わせてくれたんだろうで。」と 素直に受け入れてくれました。

夫君に相談は?承諾は?と ためらう我々を尻目に、「お父さんも 反対はせんはず、誰も引き取ってくれない子なら OKすると思う。このままでは可哀想。」との独断で、帰路の車中には 心細そうな捨て犬を乗せていました。

剛(5君)の後がまだから、次は六子だと、冗談半分で私が付けた名前を そのまま快諾してくれて ロッコちゃんとなりました。

ロッコちゃんも老いを感じさせるようにはなったものの、まだまだ元気です。

当初は、先代剛君への未練に 次の子を単純に受け入れずにおられた夫君も 徐々に その可愛さに惹かれ、すっかり「うちの子」の座を不動のものとしたロッコちゃん。

アンダーショット(受け口)の口元がかわいいロッコちゃんは 人には愛想がよく 呼んだら 照れながら近寄ってきて、身を寄せきます。

Iさんも ロッコちゃんが可愛くて仕方ないとのこと。

剛ちゃんの想い出話も 楽しげに笑いながらできる余裕も出た今は、彼以上に愛しいロッコちゃんを見つめる視線にも 無上の愛を感じる私です。

今日は せっかく来てくれたけど、ドッグランに出るには容赦ない天候なもので、店内でゆっくりしてもらいました。

ロッコちゃんは保護されるまで 一体どんな過去を生きてきたのでしょうか。

どうあれ、この笑顔は 幸福な今に大満足していることを教えてくれています。

Iさん ありがとう。

|店主のつぶやき|21:48| - | 2018.07.02 Monday |