優しい空間

 

この春に旅立ったばかりのエナちゃん(カニスさんの看板犬)の遺骨が、大学病院での解剖を終えて カニスさんに帰っていました。

お客様が 心をこめて用意して下さったという 手作りの骨壷(紙製の箱)に収まったエナちゃんです。

 

 

カニス店主さんが 迎えた愛犬のために飾った芍薬が見事に開花。

遠く西部まで車を走らせて エナちゃんに 今生での最後の想い出として、一面のチューリップ畑を見せてあげる予定だったその日、なんと、その当日に 彼女は倒れたのでした。

楽しみにしていたというのに、その想い出を土産に持たせる希望は叶いませんでした。

 今は カニスさんの愛情をいっぱいに受けたかのように 大きく開いた白い花が エナちゃんの満足度を表しているように思えてなりません。

 

たった3年足らずの短い期間でしたが、老いて、しかも病んでから出会えたカニス母ちゃんには どれだけ癒され、励まされ、支えられ、そして 大いに救われたことでしょう。

この14年間の最終章で 生まれてきてよかったと心から思える歳月を送ることができて 本当に幸運だったと思います。

 獣医学の光となり、その身体を捧げたエナちゃんが、幸せを満喫した場所に戻ってきて 静かに あの笑みを放ちながら、カニスさんを、そこに来る子たちを、人々を見守っているように感じます。

優しいその気配に、永久に会えなくなった淋しさより、こうした形でも 再会できた嬉しさを噛みしめて 用足しを終えたカニスさんを後にした私です。

「おかえり、エナちゃん。♪ 」

 

エナちゃんと同じく 飼育放棄犬だったバニラちゃんも、すっかり元気になっています。

ありがたいことに カニスさんに来てくれるお客様の愛犬たちの出入りが 彼女には 望ましい刺激となり、悲しむヒマを与えないのでしょう。

エナちゃんの分も 元気で長く その天寿を生き切ってもらいたいバニラちゃんです。

カニスさんにやってくる子たちが 彼女のエネルギー源なのですね。

エナちゃんも その様子を見て ほほえんでいるに違いありません。

|-|07:13| - | 2019.05.27 Monday |