センちゃんの幸せ記念日

 以前 その年の最終営業日に良縁を授かってもらわれた子猫がありました。

かわいい保護猫は、展示用三段ケージの中で活発に動き、長い四肢を伸ばしては ひょうきんに踊って見せる愉快な子でした。

楽し気に踊るような姿から、バレリーナを連想して、私が「オドリン」と名付けました。

オドリンちゃんは、そのひょうきんさや愛らしさから、容易に里親さんに恵まれるはずでしたが、不思議なことに ご縁に出会うことができませんでした。

が、ずっとブログで気にして下さっていたご夫妻があり、いつもこの子を遠くで見守って下さっていましが。

そして、ついに、年末ぎりぎりに 我が家に迎えたいとのお申し込みを受けたのでした。

倉吉市のK夫妻のご自宅には、既に雑種犬のマーフィー君と、元保護猫の小梅君(オス)が居ましたが、何度も譲渡会に参加してはダンスをアピールするも、ご縁に出会えずしょげてるオドリンのことが、けな気でならず、ご夫妻の意見が一致して、「うちの子」にしようと決心が固まり ご連絡をいただいた次第です。

 

 今年の最終日に来られたK氏が「今日はセンちゃんをもらい受けて5年目の日です。」と言われて ハッとしました。

そうか。あれから もう5年になるのか。

オドリンは名前を「センちゃん」に改めて K家の2匹目の愛猫となりました。

1匹目は 小梅君という気難しい子でしたので、新参者の子猫を受け入れるのは至難の業だったようです。

来る日も来る日も 拒否と嫌悪、威嚇と攻防の繰り返しという緊張の連続でした。

予想はしておられたのですが、こうまで 先住の小梅君が 新入りを忌み嫌う様子を日々目の当たりにすることになろうとは想定外だったと言います。

1ヶ月経ち、2か月が経つも、頑として子猫の存在を許せなかった小梅君でしたが、それでも、K夫妻の決意は固く、一度受け入れた子を返すという選択肢を持たなかったそうです。

 しかし、猫社会の不協和音に立ち入り、干渉しそうになる衝動を抑え、腹を据えて静観するうち、徐々に小梅君の態度に変化が表れてきたそうです。

 なんと、数ヶ月かかり、心を開いた小梅君は、さらに月日を重ねていくうち、新入りのセンちゃんを受け入れただけでなく、共に居ることが自然となり、むしろ 好んで傍に居る風景が当たり前になっていったと言います。

そして、センちゃんを家族として認め、かわいい後輩として生活を共にすることに、むしろ幸福感を覚えるに至りました。

 

センちゃんの近影です。

 ちょっと痩せ気味だった子猫は、すっかり身体が丸くなり、安らいで過ごす我が家が極楽のようです。

満ち足りると 猫も 体形、表情、動作、ともに穏やかオーラを発するようになるのだと解ります。

踊るより、大好きな小梅おっちゃんのそばに居ることが嬉しいようです。

 

左が頑固な先輩猫 小梅君。

右が ずっと拒否され続けた末に仲間として受け入れてもらい、幸せな関係を手にした元オドリン。現センちゃん。

小梅君の目つきは 独特のものがありますが、それに応えるセンちゃんの目も 優しさと思慕の念に満ちているのが解ります。

 

 

 

大好きなお風呂。

お父ちゃんが入浴の折には 左の小梅君が 殿様の側用人ならぬ「側用にゃん」として お供するそうです。

そのまたお供として行動を共にするセンちゃん。

こうして いつも一緒に ずっと浴室で お父ちゃんを見守るのも務めなのだそうで・・・・。

お父ちゃんが風呂場に行く気配を察すると 二匹が競うように 駆けつけると言います。

 

 

右側の茶トラは センちゃんに続いて 3年ほど前に さらに3匹目として引き取られたスワンちゃん。

センちゃんが スワンちゃんに優しく接しています。

今じゃ スワンちゃんも すっかり家族です。

こうして、K家は マーフィー君を中心として、今や三匹の元保護猫との暮らしが 緊張ゼロの自然なライフスタイルとして定着していきました。

 

 

K家の最初の動物、マーフィー君にはじまって、小梅君、そして せんちゃんという風に ご夫妻の愛護心には尊いものを感じます。

マーフィー君はご夫妻が 路上で瀕死状態を救護された へその緒のついた小梅君を ずっと見守り 成長を助けたそうです。

続く2匹目のセンちゃんのことも こうして守ってきました。

だから センちゃんも マーフィーおっちゃんへの不動の愛と敬意は 染みついています。

マーフィー君の仲立ちあってこそ 頑固者の小梅君と ふんわりとした関係構築に成功したと言えます。

 

 

 

せんちゃんが ようやく 小梅先輩にも認められたころの写真です。

マーフィー君に育ててもらった小梅君と 幼いセンちゃんの2匹が 大きな愛情に守られて ゆったり暮らすK家には 生きものへの愛があふれています。

こういう慈悲深いご一家にご縁を授かり、ず〜〜っと 5年経つ今なお、ビンチェーロとの絆が続いていることに、あらためて感謝の「センちゃん五周年記念日」なのでした。

K夫妻は、お仕事を持ちながらも、保護猫の存在に胸を痛め、今現在も、哀れな母子猫の救護を試みておられるそうです。

こういう方と出会え、共に鳥取県の動物愛護福祉に心を寄せ合える同志になれたことに あらためて感謝しながら 笑顔いっぱいで

マーフィー君を連れてお店を出られるK夫妻を見送りました。

ちなみに、お買いものには、保護猫の救護につながればと いつもの二倍量の愛猫用フードが加わりました。

 オドリンよ、いや、センちゃんよ、K家に出会えたご縁には共に感謝の手を合わせようじゃないか。

マーフィー君、小梅君、スワンちゃん、そして なにより救世主でもあるK夫妻と共に どうか良いお年を迎えてね。 

|店主のつぶやき|22:03| - | 2019.12.29 Sunday |