ラッキーの幸せを求めて
一度目の譲渡後、思わしい経過を辿らなかったと推測できるラッキーが、保健所を経由して、またアニマルリンク鳥取に戻ってきました。
言葉なき本犬に 一体、この数年間 どんな暮らしをしてたのか、どんな扱いを受けていたのか 尋ねてみたい我々です。
こんな良い子が たった20年にも満たない短い一生の半分を、逆境の下で過ごしていたとしたら なんという勿体ないことを!!
アニマルリンク鳥取の事務局を務め、犬の飼養管理場所を担うカニスさんの手厚いケアの下、彼は 穏やかに日々を過ごしています。
きれいに刈り込まれた清潔で明るいドッグランにやってくる たくさんの犬達を見ながら、自分には「うちの子」という幸せを味わえた時期があったのだろうかと 淋しく問いかけているようなラッキーを見ると、愛しくてたまらなくなります。
いろんな性格の子が 日々やってきては 飼い主さんと あるいは他の子と 元気に駆け回ります。
飼い主さんの笑顔と愛情をふんだんに受けながら 自由奔放の犬たち。
ラッキーも 共に歩きながら どこか 淋しそうなのです。
彼にも「父ちゃん」「母ちゃん」と呼べる人はいたのしょうか。
慕って 後を追う彼を 優しく見守る人は居たのでしょうか。
Mさんが 彼に面会に来てくれて 優しく語り掛けていました。
早く幸せという終着駅に到着できるといいな。
周りの子たちのように、「うちの子」と呼んで 可愛がってもらえる境遇を手にできるといいな。
Mさんは、帰りがけ、ラッキーの医療費の一助にと そっと封筒を手渡して下さいました。
このお気持ちを活かして 心身共に健やかな状態で送り出せることを心から祈る私です。
まだ若い子に 誘われています。
秋晴れのドッグランを それでも楽し気に歩いて回ります。
いろんな子がちょっかいを出しに寄ってきます。
それでも 全く攻撃したり、機嫌を悪くすることなく、さりげなく身を交わしたり、よりそったりの 心優しいラッキー。
彼は「大人」です。
どんなタイプの子に 言い寄られようと、何かしかけられようと 意に介すことなく、悠然と おおらかに歩みます。
早く 良いお家にもらわれるといいね。
人々は 彼の行先が決まることを願っていてくれます。
ドッグランに連れてきてもらい、元気いっぱいに駆け回り、帰宅すれば 優しい家族のそばで休める生活を ラッキーも心待ちしています。
安心して身を置けるカニスという待合室、仮の宿で、ラッキーは 慈愛深い店主さんの愛情に守られています。
犬にも人にも優しいラッキーを、どうか 良縁に導いていただけますようにと 私は祈りながらシャッターを切ります。
皆さん、おいら、こんなに痩せっぽちだけど、全力で 身体の健康にも配慮してもらってます。
今度こそ そう 今度こそ幸せになりたいので 二度と保護犬にならなくて済む家庭に おいらが行けるよう 力になってもらいたです。
カニスは とっても気に入ってるけど、おいら「おうち」というところで暮らすのが夢なんです。
おうちというところで ニコニコと おいらのこと見てくれる家族とやらに 毎日かまってもらいたいです。
ご縁を授かるまでは ここで おいら お利口さんのままで待ってますからね。